さらばグレコ MR−1800


1997年に再生産されたMR。カタログではMR−1800とされたが、保証書の上ではMR−ANNIV.との記載があるのみだ。開発生産の段階では販売価格が決まっていなかったのだろう。細部を見ると1970年代には同仕様のモデルはなく(ヘッド・バインディングに注目)、1弦側カッタウェイからハイポジションへのアクセスが楽なよう、ボディトップがやや大きく削られている。ネック・ジョイントはオリジナルから変更され、L.A.C.ジョイントと名付けられた一種のディープ・ジョイントになっている。これはMRが抱えていた弱点を大いに解消している。ラッカー仕上げ、新設計のDRY、うっすらと浮かび上がった杢と、非常に魅力的なギターだったが、同型のゴールドトップを入手したのをきっかけに手放した。音も良いし木部は丁寧に作られている印象があったが、組み込みのネジ打ちが非常に乱暴だったのは残念。

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